2010年10月1日金曜日

寄付金の考え1

少年野球で春に大会に出場することになったので、広く寄付金を集めたいと思うがどうやったら集まるでしょう?」と知り合いが訪ねてきました。

なぜ、私に聞いてきたのか?というと、昔 私達も寄付金を集めたことがあるからである。

日頃から、少年野球に興味があったり、父兄や先輩OBなど関係が多少ある人ならある程度の金は集めることができるが、関係の薄い地域住民から、広く集めようと思う場合、特に、飛び込みの寄付金依頼というのは困難である。

特に、顔見知りでない人への訪問の場合、「なんか面倒だな」と思われると、最初から聴く耳を持たないのが判る。話にうなずくけれども、「どうやって断るか?」ばかりを考えているのが判る。
また近所だと、あまり強引に依頼すると、金は集まるけれども、後で批判も出てくるかも知れないという危惧もある。

さて、そのときの経験で、近所の関係を気まずくさせず、強引に寄付を依頼できる方法を私達は研究し、少なからず会得したのであります。
その方法は極めてシンプル。

「一円でもいいからお願いします~。」

が殺し文句である。

決して 「少しでもいいから寄付してもらえませんか~?」とは言わない。

アメリカで行われた心理学の研究で、癌協会から来たと名乗る男女二人組が家庭訪問し、寄付金を頼むという実験結果がある。

頼み方には二通りあり、
A:「いくらか寄付して頂けませんか?」
B:「1セントでもいいから寄付してください」
で、それぞれ42軒回った。

結果は、Bの頼み方のほうが倍近く集金できた。
内訳は、Aが12軒から寄付を集め、一軒の平均寄付金は、1ドル55セントであった。
Bは、21軒から寄付を集め、一軒の平均寄付金は1ドル44セントであった。

一軒あたりの寄付金の額に差は無く、応じてくれた軒数が増えたという結果である。

そこで、「平均1ドル強」の結果を鑑み、今度は、Bを「1ドルでもいいから寄付してください」にしてみた。
1セントからの値上げである。

なんと結果は、募金の金額は半減したということである。

この実験で判ることは、人に何かを頼む時は、まず最初に相手の心理的抵抗を解除するか?の重要性を示している事である。
実際に1円では何もできない。しかし、寄付依頼の場合、1円でいいから!という漫画的な額を具体的に出すということにより、「え!そんな安くてもいいのなら面倒だから払っちまおう」と心理的抵抗が解除されるのである。
心理的抵抗を解除出来てのみ、「この位ならいいかな?」と初めて依頼に対して前向きに考えてくれるのである。

最初の心理的抵抗をいかに解除するか?が決め手である。

私達は、この方法で、地域の家を片っ端から訪問し、必要金額以上の寄付金を集めることに成功したのであります。

注意: かなり悪知恵っぽい内容ですが、逆に気の弱い人は、敵の手の内を知って寄付金を断る参考にもして欲しい。

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