2010年10月14日木曜日

食べること、やめました

「食べること、やめました」の著者森美智代はかねてから一日青汁一杯だけで生きていることで以前からマスコミで紹介され有名な人であった。ロシアには何も食べずに生きてる人がいるらしいが、著者の場合は医学的な検査結果もそろっており、事実に間違いはない。
著者は20代で脊髄小脳変性症という身体の運動機能が失われて死いいたる病と診断され現代医学では治す方法は無いと言われた。そこでかねてから知っていた、断食と少食療法で有名な甲田医院でこの療法に取り組む。
療法により症状が良くなる事に勇気を得て続けるうちに、青汁一杯になっていく。
 それは、ある時期から少食では太る身体になり、青汁にするも太るのでその量を減らしているうちに青汁一日一杯になったのだという。
 それは何故か?本書によると人間の腸内細菌は、草食動物に近い細菌構成になっていて、「クロストリジウム」という腸内細菌は植物の繊維を分解してタンパク質の材料であるアミノ酸を作りだすが通常0.1%であるがが著者は100倍近い9.8%。人間は、食物繊維を消化酵素を持たないため摂取しても消化できないとされている。「クロストリジウム」の他にも「ユーバクテリウム」などいくつかの種類があり、それらを合わせると普通の人の腸には30%くらいいるそうだが著者の腸には約60%いるそうだ。
牛が草しか食べないのにあれだけの筋肉を作り上げるのには腸内細菌の働きによる。人の身体の神秘や可能性は人が考えるより以上にあるのだろう。もしかしたら、もっと精密に身体に目を向けたなら今まで思いもしなかった自分を発見できるのかもしれない。経絡やツボが科学的に証明されていないにもかかわらす、経験的に効果があるのが分かっている。だからこそ伝統的な治療法として生き残ってきたのだ。
 明治以前の日本には伝統的な治療法が沢山あった。しかし脱亜入欧の流れのなかで政府によって鍼灸按摩は禁止された経緯があるのだ。その時に治療をやめて絶えていった治療法も沢山あったという。その中には身体の精密な観察や普段とは違う身体の見方感じ方があったかもしれない。
武術家甲野義範の武術の研究は人の身体の可能性を示しているが、彼は伝説の達人、名人の神懸かった逸話は誇張されたものではなく事実であったのではないかという。それも青汁一杯で、痩せるどころか太ってしまう著者の存在をみれば納得できるのだ。
からだに問い掛けること。もっとからだに目を向けるならからだは何かを語りかけて来るように思えるのだ。

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