■アンゾフの経営戦略
アンゾフは、経営戦略(その中でも多角化戦略)の体系を完成させた人物です。ここでは、そのアンゾフがまとめた経営戦略の体系について解説します。
●経営戦略の体系
アンゾフの経営戦略では、戦略の構成要素として次の4つを挙げています。
製品・市場分野・・・自社の製品と市場のニーズから進出分野を明らかにすること
成長ベクトル・・・成長させる分野を考えること
シナジー・・・新しい分野に進出することによって得られるシナジー効果(相乗効果)
競争上の利点・・・他社との優位性を考えること
進出分野は、次のようなマトリックスから考えることができます。
現在の製品 新しい製品
現在進出している市場 市場浸透戦略 製品開発戦略
新しく開拓する市場 市場開発戦略 多角化戦略
アンゾフは、多角化戦略については、さらに次の4つに分類しています。
水平型・・・現在と似たような顧客で多角化する
(例)パソコンのメーカーがプリンタやスキャナを扱う
垂直型・・・同じ事業分野なかで川上から川下にかけて多角化する
(例)石油の元売りが専門の企業が、小売りをする
集中型・・・既存製品と新規製品をうまく関連づけて新しい市場に多角化する
(例)飲料メーカーがバイオ関連の商品を扱う
集成型・・・現在の製品とは全く関連のない新規事業に多角化する
(例)衣料メーカーが食料品を扱う
最近では、このアンゾフのマトリックスの奥行方向に「新しいビジネスモデルの創出」という軸を加えて考えることもあります。
●意思決定
アンゾフは、経営の意思決定についても次のように3つに分類しています。
※戦略的意思決定
経営職層が決定すべき、企業目標決定や自社ドメインの選択などが挙げられます。
※管理的意思決定
管理職層が決定すべき、組織構造の決定や経営資源の調達などが挙げられます。
※業務的意思決定
監督職層が決定すべき、経営資源の配分や日常の業務方針の決定などが挙げられます
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